診療科TOP 認定医・専門医 スタッフ紹介 教育と研究 外来担当表 乾癬は、免疫反応の異常に伴って皮膚の細胞(表皮細胞)が過剰に増殖する、慢性炎症性の皮膚疾患です。乾癬は現在、5つに分類されています。尋常性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症です。 1.尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん) 患者さんの数が最も多いのは、この尋常性乾癬です。白色の厚い皮(鱗屑-りんせつ)が付着した紅い皮疹(紅斑-こうはん)が様々な大きさで全身に見られます。頭皮や肘、膝などのこすれる部分にしばしば見られ、爪や手のひら、足の裏にも症状が見られることがあります。 2.滴状乾癬(てきじょうかんせん) 尋常性乾癬に比べて、小さい紅斑が全身に見られる乾癬の1型です。時に、尋常性乾癬に移行することがあります。 3.膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん) 発熱を伴って、全身に膿疱(白色~黄色の水疱)がたくさん見られる乾癬の1型で、乾癬の中で最も重症です。皮膚の膿疱には菌がいるわけでなく、感染することはありません。症状が重いため、入院して治療することが必要です。 4.関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん) 関節痛を伴う乾癬です。乾癬の皮膚症状があり、血液検査にて「リウマチ因子」が通常陰性です。(関節リウマチの患者さんの多くは陽性反応を示す)多くは手の指や足の指の関節炎がみられ、症状は関節リウマチに非常に似ています。皮膚科のみならず、リウマチ・膠原病内科や整形外科との連携が必要になります。 5.乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう) 上記乾癬が、全身に広がり、正常の皮膚がほとんど見えなくなった状態を指します。しばしば発熱を伴い、入院して治療することが必要になります。 診療日 毎週水曜日、午後14時より 当科では水曜午後の専門外来にて、乾癬の診断、治療、スキンケア方法などについてのご相談や指導を行なっております。 診療内容 診断: 尋常性乾癬の皮疹は特徴的であることが多いので、診察のみで診断がつく場合もありますが、薬疹やその他の皮膚炎などと区別して診断をするためには、皮膚生検(皮疹の部分を一部切除して検査すること)が必要です。 治療: 外用療法(ステロイド外用、活性型ビタミンD3外用、タピナロフ外用)、光線療法(ナローバンドUVB、ターゲットエキシマ)、内服療法(アプレミラスト、シクロスポリン、エトレチナート、デュークラバシチニブ、メトトレキサート)、生物学的製剤などがありますが、当院ではすべての治療が可能です。デュークラバシチニブや生物学的製剤の適応のある重症の乾癬患者さんに対しては、皮膚生検や導入前に必須のスクリーニング検査を行なってから治療開始します。